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科目別シラバス

介護職員初任者研修シラバス

1.職務の理解(6時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①多様なサービスの理解3時間《講義内容》
介護保険制度で提供されるサービス、代表的な居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスを習得する。
(ア)介護とは
・法律の用語から見た介護(代表的な居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービス)
・介護保険制度で提供される介護サービス
《演習内容》
代表的な居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスについてグループワークで話し合い、これからの研修の方向性について認識を深める
②介護職員の仕事内容や働く現場の理解3時間《講義内容》
特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム等、各施設によって、働く場としての特徴・勤務時間・勤務内容等を学習し、介護職務の基本を習得する。
(ア)介護サービスの仕事とは
・働く側からみた「介護の仕事」
・利用者の立場からみた介護サービスの状況、介護保険 サービスを利用し在宅生活を継続できること
(イ)介護の資格とキャリアシステムを理解す
・介護保険サービスを受けるまでの流れを理解する
《演習内容》
・施設見学(介護職が働く現場や仕事の具体的イメージについて。P26 テキスト1 事例を読んで介護保険制度のサービスについての検討を行う(グループワーク)。
2.介護における尊厳の保持・自立支援(9時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①人権と尊厳を支える介護6時間《講義内容》
介護サービスを提供するにあたり、何よりも大切にしなければならないのは、利用者の人権と尊厳を守ることです。人権や尊厳を守る事の重要性を、その背景となるテク額や制度、法律とともに学習し社会的な支援を必要とする高齢者や障害者へのなり方を習得する。
(ア)人権と尊厳の保持
・人権の考え方
・人権尊重に関する国連でお取り組み
・わが国における基本的人権の保障
・医療福祉分野での人権
(イ)QOLの考え方
・QOLが求められる社会的背景
・健康関連QOL
・ADL(日常生活動作)からQOL(生活/人生の質)へ
・高齢期のQOLと介護
(ウ)ノーマライゼーション
・ノーマライゼーションとは
・ノーマライゼーションの理念の誕生
・ノーマライゼーションの国際的展開
・ノーマライゼーションの難しさ
・ノーマライゼーションの発展
・ノーマライゼーションと介護
・ノーマライゼーションに関連する概念
(エ)虐待防止・身体拘束禁止
・高齢者虐待防止の歩み
・高齢者虐待の種類
・高齢者虐待の特徴
・高齢者虐待の防止
(オ)個人の権利を守る制度の概要
・高齢者の人権全般を守るための制度
・判断力の低下した高齢者の権利を守るための制度
・悪徳商法等から高齢者の財産を守る制度
・貧困による生活苦から高齢者を守る制度
《演習内容》
事例をとおして、どのようなケアが不適切な介護や虐待なのか、またどのような行為が利用者の権利を害するのかを検討することで介護、支援の在り方を考える。
P62 テキスト1 事例 高齢者のQOLの改善事例
①自立に向けた介護3時間《講義内容》
介護とは生活のお世話ではなく、利用者の自立に向けた、要支援・要介護状態の予防、もしくは改善や維持を目指した支援でなくてはならないことが明確に位置づけらえている。自立に向けた介護の重要性と意義、介護予防や重度化予防の視点について習得する。
(ア)自立支援
・自立支援とは(日々の生活に誇りや自信をもてること)
・「お世話」の観点からの脱却
・残存能力の活用「からだ」と「こころ」は切り離せない
・本人の自己選択・自己決定を促し、尊重する
・こころの自立(生きる希望や意欲を引き出す支援)
・一人ひとりを個別的に理解し、支援していく
(イ)介護予防
・高齢者の多数派は重度の要介護状態ではない
・介護予防の視点(利用者自身の生活能力や意欲を引き出していく
・寝たきりは寝かせきりからつくられる
・介護予防施策の推進
・効果的な介護予防の取り組み(運動器の機能向上、栄養改善等)
・地域全体で取り組む必要性
《演習内容》
事例をとおして、どのような支援方法が自立支援や予防介護となるのか見当することで、自立支援に対する理解を深める。
P103 テキスト1  事例 誰のための、何のための介護サービスなのか
3.介護の基本(6時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①介護職員の役割、専門性と多職種との連携2時間《講義内容》
生活の支援は、介護職だけではできなく、利用者に関わるさまざまな専門職や家族、地域と連携して支援する必要があります。各々の専門性、役割を理解することと、連携の中で介護職の専門性を最大限発揮する事です。地域包括ケアの重要性や介護職の役割と専門性、多職種の理解と連携の方法について習得する。
(ア)介護環境の特徴の理解
・利用者生活の拠点
・少子高齢社会と介護システム
・利用者を地域で支える
・2018(平成30)年 介護保険制度改正の要点
・2021(令和3)年 介護保険制度改正の要点
(イ)介護の専門性
・介護の理念
・介護の対象と目的・定義
・介護実践の原則
・「社会福祉士お飛び介護福祉士法」の制定と改正
・求められる介護福祉士像とは
・介護職が実施できる医療的ケア
・介護福祉の資格取得方法の見直し
(ウ)介護にかかわる職種
《演習内容》
介護にかかわる職種を挙げ、多職種との連携が必要な理由を話し合い各専門職との連携について理解する。
P171 テキスト1 事例 多職種によるチームケアの効果
②介護職員の職業倫理1時間《講義内容》
高齢者や障害者は、社会的にさまざまな制約や不利益を受けることが少なくありません。そのような社会的な支援を必要とする人たちと生活支援を通じて日常的に接する機会が多い介護職には、人一倍厳しい倫理観が求められます。専門職としての社会的責任を十分に理解し、倫理に根ざした姿勢、支援の方法を習得する。
(ア)職業倫理
・倫理観の必要性
・倫理綱領とは
《演習内容》
事例を通して介護実践を行う場合に必要な倫理的判断の視点をグループワークで話し合い倫理について理解を深める。
P184 テキスト1 
②介護における安全の確保とリスクマネジメント1.5時間《講義内容》
介護サービスを提供する際に起こる事故は、利用者の心身の健康や安全を損なうだけでなく、介護職にも重大な問題を引き起こす事態となります。安全を確保するための事故への備え、環境整備など、リスクマネジメントの考え方や方法について学習し、介護職員が媒介となって、感染症を利用者に広めてしまう可能性も少なくありません。感染症予防・対策について習得する。
(ア)介護労働おける安全の確保
・リスクマネジメントと危機管理の違い
・安全関連用語と定義
・介護事故と労働災害
(イ)事故予防
・不安全状態と不安行動
・自己の予防と危険感受性
・高齢者の特性
・作業環境管理、作業管理及び健康管理
(ウ)安全対策
・安全教育
・危険予知訓練(KYT)
・リスクアセスメントとリスクマネジメント
・現場で実施できるリスクアセスメント
・介護事故が起こってしまったときの対応
(エ)感染対策
・感染症の基礎知識
・介護現場にかかわる主な感染症
・感染症対策に対する基本的態度
・感染症予防の基本的事項
・介護職員の健康管理
・空調などの設備の管理
・感染予防に基づいた介助
・新型コロナウイルス感染症(Covid-19)対策等について
《演習内容》
・テキスト1 P191 図表2-3-1 P195 図表2-3-2に基づき事故を未然に防ぐための方法や事故はなぜおこるのか、事故の要因を考え。危険予知、危険予測について話し合い理解を深める。 
・感染症対策を踏まえ、テキスト1 P218 衛生的手洗い、ガウンテクニック行う。
③介護職員の安全1.5時間《講義内容》
介護職員の健康と安全を保持することは、介護の現場においてとても重要なことです。介護職員の健康と安全が脅かされる状況においては、健全なサービスを提供することができません。介護職員の安全衛生を守るための従業者の取り組みや、こころの健康管理について習得する。
介護職員の安全衛生
(ア)介護職員のこころの健康管理
・ストレッサーとストレス反応
・職場のストレスモデル
・労働者のこころの健康の保持増進のための指針
・介護職員のこころの健康の保持増進
(イ)介護職員のからだの健康管理
・腰痛とは
・職場における腰痛予防対策の基本的な考え方
・腰痛予防のための労働衛生管理
《演習内容》
・テキスト1 P237 図表2-4-7 腰痛予防のための三管理に基づきグループワークで話し合い理解を深める
・腰痛予防のためのボディメカニックス活用術を習得
4.介護・福祉サービスの理解と医療との連携
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①介護保険制度3時間《講義内容》
2000年4月から施行された介護保険制度について、制度が創設された社会的背景を読みとき、介護保険制度の意義とその概要を理解する事は、日常的サービスを提供するうえでも重要なことです。高齢者の自立を支えるためのしくみやサービスがどのように創り上げられているのか、財政的な背景から行政の役割、実際のサービス内容や利用の流れを習得する。
(ア)介護保険制度創設の背景と目的
・制度創設の背景
・制度創設の目的
(イ)介護保険制度の動向
・介護保険制度の対象者(被保険者)、要介護認定者数などの増加
・介護費用の増加、介護保険料の増加
・今後の動向と見通し
・これまでの制度改正の流れ
(ウ)介護保険制度のしくみ(保険システム、要介護認定、  マネジメント)
・制度全体のしくみ
・保険システム
・要介護認定
・ケアマネジメント、ケアプラン、ケアマネージャー
(エ)介護保険制度のしくみ
・介護報酬
・介護財源
・介護運営にかかる行政組織など
・介護保険事業計画
(オ)介護サービスの分類と種類
・サービス利用者による介護サービスの分類
・給付の種類による分類
・サービスの提供場所による分類
・介護サービスの分類
(カ)主な介護サービスの内容とサービス事業者・施設
・要介護者を対象としたサービス
・要支援者を対象としたサービス
・介護サービス事業者・施設とその指定
(キ)保険給付外の事業
・地域支援事業
・地域包括支援センター
・保険福祉事業
《演習内容》
テキスト1 P262 図表3-1-9 介護サービスの利用の流れを基にグループワークで話し合い理解を深める
②介護と医療の連携とリハビリテーション3時間《講義内容》
医療や福祉との連携について、各々のサービスや連携の在り方を学習。また、これまで医療職が行っていた一部のケアを、一定の条件のもとで介護職が担うことが可能となりました。医療職が行う医行為と、介護職が行うことができる医行為の境界線をしっかりと認識し、責任ある介護を提供しなければならない。介護職が行うことができる医療的ケアの理解、さらにリハビリテーションの役割や専門職について習得する。
介護と医療の連携
(ア)介護における医療と福祉の連携
・保健医療サービスと福祉サービス
・居宅サービスにおける医療と福祉の連携
・施設サービスなどにおける医療と福祉の連携
・医療機関との連携
・サービス提供者の意識
(イ)介護職と医行為
・介護職の業務
・医行為とは
・医行為とそれ以外の行為と境界線
・介護職員が行える医行為
(ウ)リハビリテーション
・リハビリテーションとは
・リハビリテーションの過程
・リハビリステーションスタッフの役割
・QOL(生活の質)の向上
《演習内容》
テキスト1 P296 図表3-2-1を基にグループワークで話し合い、医行為を行ってはいけない理由を考え、医行為と医行為でないものについて習得する。
③障害福祉制度およびその他制度3時間《講義内容》
介護サービス等を利用する障害のある人の生活構造、環境、課題等の特徴を学習し、障害者総合支援法の理念、制度のしくみ、障害福祉サービス、ホームヘルプサービス等の現状、支援者の連携に関して習得する。
障害者総合支援法と障害者自立支援制度
(ア)障害者自立支援制度の背景「障害」のある人の生活課題の理解、支援の実践理念
・介護サービス利用者の生活構造の理解
・「生活者」として総合的に理解(生物的・社会的・文化的な存在)
・国際生活機能分類による「生活機能」「障害」の理解
・介護職員等、専門職員の支援が良き「環境因子」となる
・目標、願いの実現に向けたケアマネジメント・プロセス
・個別支援と環境改善、」合理的配慮における「実践理念」
(イ)障害者総合支援法に基づく総合的な支援制度
・障害者総合支援法の制定の経緯、目的、基本理念
・法律上の「障害者」の定義
・市町村の責務、役割
・自立支援給付、障害福祉サービスの体系
・自立支援給付、障害福祉サービスの概要
・児童福祉法に基づく障害児サービスの概要
・介護保険と障害福祉サービスの「共生型サービス」創設
・相談支援に関する費用の給付
・障害福祉サービス利用の手続き、プロセス
・「サービス等利用計画案」の作成と支給決定プロセス
・地域生活支援事業
・介護給付等の財源、利用者負担の制度
(ウ)障害者ホームヘルプサービスの運営
・障害者ホームヘルプサービスの概要
・訪問系サービス、生活介護、協働生活援助等の現状
・協働生活援助(グループホーム)と居宅介護サービス
・「個別支援計画」等に基づく専門職員の連携
・居宅介護事業等の運営基準。「個別支援計画」の作成等
・障害者虐待防止法、居宅介護などにおける虐待防止
《講義内容》
個人の権利を守るその他の制度
高齢者や障害者を支える制度は、介護保険制度、障害者総合支援制度だけではありません。高齢者や障害者をはじめ、社会的な支援が必要な人の生活や権利を守るためのさまざまな制度を学習し、それぞれの制度とサービスを理解することで、適切な制度の利用とサービスの組み合わせにより、より細やかな生活支援が可能となることを習得する。
(エ)生活保護制度
・生活保護のしくみ
・生活保護の基本原理
・生活保護の基本原則
・保護の種類
・保護施設
・被保険者の権利および義務
・保護の実施
(オ)生活困窮者自立支援法
・制定の経過と理念
・制度の概要
(カ)成年後見制度
・成年後見制度の制定の経過
・成年後見制度の概要
・介護保険と青年後見制度
・成年後見制度の利用の促進に関する法律
(キ)日常生活自立支援事業
・制度の概要
・利用の手続き
・費用
(ク)虐待防止制度
・高齢社虐待防止法
・障碍者虐待防止法
(ケ)その他の制度
・年金制度
・医療保険
・消費者保護対策および個人情報の保護対策
5.介護におけるコミュニケーション技術(6時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①介護におけるコミュニケーション4.5時間《講義内容》
利用者や家族をはじめ、多職種と関わりながら介護サービスを提供するなかで、コミュニケーションは重要な要素となります。コミュニケーションの意義、目的、役割からコミュニケーションの基本的技術、利用者や家族、さまざまな障害のある人とのコミュニケーションの実際について学習し、コミュニケーション能力を高め、人間関係づくりに役立てられるよう習得する。
(ア)介護におけるコミュニケーションの意義、目的、役割
・コミュニケーソンとは
・二者間のコミュニケーション過程の理解
P7 トレーニングにTRY1 テキスト2
P8 トレーニングにTRY2  テキスト2
P10 トレーニングにTRY3  テキスト2
・介護職におけるコミュニケーションの基本
P13 トレーニングにTRY4  テキスト2
P13 トレーニングにTRY5  テキスト2
P14 トレーニングにTRY6  テキスト2
P18 トレーニングにTRY7  テキスト2
P20 トレーニングにTRY8  テキスト2
P21 トレーニングにTRY9  テキスト2
P24 トレーニングにTRY10  テキスト2
P27 トレーニングにTRY11  テキスト2
(イ)コミュニケーションの技法
・質問の技法
P30 トレーニングにTRY12  テキスト2
・話を要約する技法
・明確化する技法
・繰り返しの技法
・言い換えの技法
P33 トレーニングにTRY13  テキスト2
・介護職として求められる相談の技術
(ウ)道具を用いたコミュニケーション
・筆談や会話を補助する機器
・聞くことを助ける機器
・読むころを補助する機器
(エ)利用者・家族とのコミュニケーションの実際
・利用者の思いを把握する
・家族の思いを把握する
・利用者の思いを家族が理解する支援に向けて
・利用者と家族の思いが一致する支援に向けて
(オ)利用者の状況・状態に応じたコミュニケーションの実際
・聴覚・言語障害者とのコミュニケーション
・難聴者とのコミュニケーション
・視覚障害のある人とのコミュニケーション
・失語症のある人とのコミュニケーション
・高温障障害のある人とのコミュニケーション
・認知症のある人とのコミュニケーション
・知的障害のある人とのコムにケーション
・精神障害のある人とのコミュニケーション
P51 トレーニングにTRY14  テキスト2
P52 トレーニングにTRY15  テキスト2
P53 トレーニングにTRY16  テキスト2
《演習内容》
テキスト2 トレーニングTRY1~16を用いて、グループワークで言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの伝達演習を行い、特徴を理解し、介護におけるコミュニケーション技術の必要性について習得する。
信頼関係を構築する技術とし、受容・共感・傾聴などのロールプレイを行い、利用者の思いを知ることを習得する。
①介護におけるチームのコミュニケーション1.5時間《講義内容》
チームによる介護において、記録やカンファレンスなどによる情報の共有化は、サービスを適切に、かつ円滑に提供するために重要となります。記録の意義から効率的な記録の記載法をはじめ、報告、連絡、相談の意味や意義、カンファレンスや事例検討会、担当者会議の留意点について習得する。
(ア)記録による情報の共有化
・記録の意義・目的
・介護に関する記録の種類
・記録の書き方と留意点
・プライバシーの保護と介護サービスの情報公開
(イ)介護サービスにおける報告、連絡、相談
・意義と目的
・報告・連絡・相談をしていく際の留意点
(ウ)コミュニケーションを促す環境(介護サービス現場の会議など)
・ケアカンファレンス、事例検討
・サービス担当者会議
《演習内容》
テキスト2 P57 「事例検討」に基づいてグループワークで話し合い、情報共有化の必要性を習得する。
6.老化の理解(6時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①老化に伴うこころとからだの変化と日常3.5時間《講義内容》
人は加齢と共に、こころとからだが変化します。特に老化においては、さまざまな能力が低下していきます。高齢者ごとに個人差はあり、また、すべての能力が衰えるわけではない。一般的な視点から、老化により高齢者のこころとからだがどのように変化し、どのような状態になるのかを学習し老化の理解を通して、高齢者の介護における基本的な留意点を習得する。
(ア)老化に伴うこころとからだの変化
・老化のメカニズム
・寿命
・老化の特徴
・老化によるこころとからだの変化と観察のポイント
・知的能力の老化と特徴
(イ)老化に伴うこころとからだの変化と日常生活
・老化による日常生活への影響
・国民生活基礎調査からみた高齢者の有訴者率と通院者率
・身体的な老化と日常
・要介護状態とならないために(フレイル予防)
《演習内容》
テキスト2 P102 「観察のポイント」を基にグループディスカッションを行い老化に伴うこころとからだの変化を習得する。
①高齢者と健康2.5時間《講義内容》
老化に伴うこころとからだの能力の低下とともに、高齢者には多くの疾患や障害が現れます。高齢に多い疾患や国民病ともいわれる生活習慣病や老化に伴う疾患などについて学習し、疾患や障害の基本的な理解を通して、日常における高齢者の生活支援の留意点を習得する。
(ア)高齢者と健康
・老人病と成人病、生活習慣病
・代表的な死因と生活習慣病
(イ)高齢者に多い病気と日常生活上の留意点
・老化に伴う疾患
・代表的な生活習慣病
・その他の生活習慣病
・老化による疾患と生活習慣病全般についてのおさらい
《演習内容》
 小さな健康状態の変化にどのようにすれば気づけるか、またどのような観察視点が必要か検討し、日常生活上の留意点を習得する。
7.認知症の理解(6時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①認知症を取り巻く状況1時間《講義内容》
認知症高齢者の介護で重要なことは、その人の出来ない事や低下している能力に注目するのではなく、残された能力や意欲に着目していくことです。同時に、その人の生きてきた歴史をしっかりと理解しながら、かかわっていく姿勢が大切です。認知症高齢者の行動や心理症状の理解を通して、共感的な姿勢で関わるケアについて学習し、学習を通して、認知症高齢者へのケアの理念を習得する。
(ア)認知症ケアの理念
・「生活者」としての理解(残された意欲や能力に「着目していく」
・認知症の日音の世界を理解していく(利用者その人は「生活の主人公」)
・利用者本人の「感情面」「思い」を見ていく
《演習内容》
テキスト2 P150 図表3-1-1 認知症の中核症状と行動・心理状態についてグループワークで話し合い、中核症状は身体の具合や環境によって影響されることを習得する。
②医学的側面から見た認知症の基礎と健康管理2時間《講義内容》
認知症の高齢者への介護は、とても難しく、常に専門性が求められます。そのため認知症という疾患を理解し、一人ひとりの症状や障害に対するケアの方法を学ぶことが重要となります。認知症の診断などで用いられる評価法をはじめ、障害の状態や原因となる疾患などの医学的な理解とともに、予防のための対策や健康管理について習得する。
(ア)認知症の概念
・認知症とは
・認知症に似た状態
・認知症の診断
・認知症の評価スケール
(イ)認知症による障害
・記憶障害
・認知機能の障害
・認知症の原因となる主な疾患
・若年性認知症と老年期認知症
・認知症予防対策
(ウ)健康管理
・健康管理の重要性
・健康管理のポイント
③認知症に伴うこころとからだの変化と日常生活2時間《講義内容》
認知症の症状は、大きく分けて中核症状と行動・心理症状(BPSD)として現れます。行動・心理症状の具体的な現れ方や症状、認知症の高齢者とのコミュニケーションや基本的なケアについて学習し、認知症の高齢者と向き合うための、介護員の基本的な姿勢を習得する。
中核症状
(イ)行動・心理状態
・認知症の行動・心理症状の現れ方
・BPSDの出現要因
・主なBPSD
・事例検討
(ウ)認知症の利用者への対応
・認知症の人とのコミュニケーション
・基本的なケア
・認知症の人と向かい合うために
《演習内容》
・テキスト2 P184の事例を通し、認知症の方の立場に立って状況を考え、グループワークを行うことにより、認知症の方の思いに対する理解、中核症状から引き起こされるBPSDに対しての理解を取得する。
・パーソンセンタードケアについて調べレポート提出をする。
④家族への支援1時間《講義内容》
認知症の高齢者には、中核症状や行動・心理症状(BPSD)などさまざまな症状が現れます。介護者は、それらの症状に対するのはもちろんですが、24時間、1日を通して介護を行わなければなりません。目を離すことができないことから、介護者自身の生活のリズムを崩し、不潔行為や暴力的行為などによって、精神的に追いつめられることもあります。認知症の高齢者を支える家族への支援を中心に学習し、事例を通して、介護者の思いを理解し、介護職員としてどのように支えらえるかについて習得する。
(ア)家族への支援
・家族の介護負担感
・家族介護者へのエンパワメント
・家族のレスパイト
《演習内容》
テキスト2 P198、199、200の事例1~3を基にグループワークで話し合い、家族介護者へのエンパワメントを習得する。
8.障害の理解(3時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①障害の基礎的理解1時間《講義内容》
介護を必要とする人は高齢者だけではありません。疾患や障害によって生活に支障をきたしている障碍者への支援も行います。障害の概念、障碍者を支える制度や仕組み、法律について学習し、障碍者への介護にあたり、障害に関する基礎的な理解を習得する。
(ア)障害の概念
(イ)国際生活機能分類(ICF)の考え方
(ウ)障害者福祉の基本理念
・ノーマライゼーション
・インクルージョン
《演習内容》
自分が障害を負った際どのように受け止め、どのような生活を送りたいのかグループワークで話し合い、障害のある方に対し、関わる際の視点を習得する。
②障害の医学的側面、生活障害、心理・行動の特徴、かかわり支援等の基礎的知識1時間《講義内容》
障害と一言でいっても、さまざまな障害があります。視覚障害や聴覚障害をはじめ、内部障害、精神障害などについて、それぞれの疾患や症状、介護における留意点について学習し、学習を通して、障害者を正しく理解し、介護の基本的姿勢を習得する。
視覚障害(種類・介助の留意点)
聴覚・平衡機能障害(種類・介護の留意点)
音声・言語・咀嚼機能障害(種類・介護の留意点)
肢体不自由(種類・介護の留意点)
内部障害(種類・介護の留意点)
障害の受容(種類・介護の留意点)
知的障害(知的能力障害群)、(種類・介護の留意点)
精神障害(種類・介護の留意点)
高次脳機能障害
発達障害(種類・介護の留意点)
《演習内容》
テキスト2 P215~216 視覚障害者への白杖歩行とガイドヘルプを体験し技術を習得する。
②家族の心理、かかわり支援の理解1時間《講義内容》
障害児・者の家族は、さまざまな思いで障害児・者としています。本人の障害受容はもちろんですが、家族にとっても障害受容は大きな課題です。家族の心理や障害受容、支援にあたっての留意点について学習し、介護においては、障害児・者だけでなく、家族にも寄り添うことが重要であることを習得する。
(ア)家族の心理
・障害児・者の家族の心理
・障害受容
(イ)家族への支援
《演習内容》
事例検討
テキスト3 P251 事例1 障害者の自立生活を支える
テキスト3 P253 事例2 重症心身障害者への支援
テキスト3 P254 事例3 知的障害者
テキスト3 P256 事例4 知的障害者
テキスト3 P258 事例5 難病
上記の事例の中から障害者への支援に関する留意点を習得する。
9.こころとからだのしくみと生活支援技術(75時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①介護の基本的な考え方2時間《講義内容》
専門職として介護を提供するためには、介護サービスに関する専門的知識や技術を習得するだけでなく、介護を理論や制度、法律などの側面から理解することも必要です。介護の基本的な考え方として、介護の理念や法的根拠、介護を行ううえでの視点について学習し、利用者を主体とする介護の意味を習得する。
(ア)理論と法的根拠に基づく介護
・介護に関する専門的知識・技術の必要性(単なる我流ではダメ)
・介護サービスは何を目的に支援していくのか(個別支援の重要性)
・介護に関わる法律上の規定や考え方
・生活支援としての介護サービス
・医療サービスと介護サービスに求められる役割の違い
・利用者主体の介護(本人にとって価値ある生活を支援)
・生活障害という視点(本人と生活環境との不調和)
・生活の質(QOL)を高める視点の大切さ
《演習内容》
介護を行うには、理念や法的根拠に基づいて行い必要があり、なぜ我流ではいけないのかをグループワークで話し合い認識を深める。
②介護に関するこころのしくみの基礎的理解4時間《講義内容》
人のこころの動きや変化を理解する事は、利用者のためだけでなく、介護職員自身のこころや姿勢、行動をみつめることになります。記憶や感情のメカニズムをはじめ、幸福感や生きがいを感じる自己の概念、さらに老化や障害の受容、適応について学習し、こころのありようを理解した介護は、尊厳を守る介護に通じることを習得する。
(ア)学習と記憶の基礎知識
・記憶の働き
・記憶のメカニズム
・長期記憶の機能
・忘却
・記憶と加齢
・記憶と学習
(イ)感情と意欲の基礎知識
・感情の定義
・感情の反応
・感情の発生
・感情と加齢
・意欲(欲求)と動機づけ
・マズローの欲求階層説
(ウ)自己概念と生きがい
・さまざまな老年期
・自己概念
・老年期と生きがい
・老年期の人間関係と幸福度
(エ)老化や障害を受け入れる適応行動とその阻害要因
・老化過程への適応
・障害への心理的反応
・障害受容と価値の転換
・障害の事故受容と社会受容
・支援に向けて
《演習内容》
デモストレーション:講師
体温測定、血圧測定、脈拍測定、酸素飽和度測定の実施と値の正常値を習得する。
③介護に関するからだのしくみの基礎的理解5時間《講義内容》
人体の構造やその働きについて理解することは、安全で安楽な介護を提供するためには重要なことです。人体の各部の名称をはじめ、骨や関節の構造、中枢神経や自律神経と内部器官等の基礎的な知識を学習、こころとからだのしくみを理解し、さまざまな面から利用者を一体的に捉える力を習得する。
(ア)人体の各部の名称と働きに関する基礎知識
・人体の構造と機能
・バイタルサイン(生命徴候)
(イ)骨・関節・筋に関する基礎知識
・からだの運動
・骨格と関節
・骨格筋(筋肉)の役割、神経との連動
・ボディメカニクス
・良肢位(機能的肢位)
(ウ)中枢神経と末梢神経系に関する基礎知識
・神経系のしくみ
・中枢神経系
・末梢神経系
(エ)自律神経と内部器官に関する基礎知識
・自律神経
・自律神経と人体の内部器官の各機能
(オ)こころとからだを一体的に捉える
・高齢者の健康とは
・高齢者のこころとは
・からだのしくみ
・利用者を一体的に捉える
《演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・椅子から立ち上がりでどのようにすると立ち上が れて、どのような状態であると立ち上がれないかを体験し、人体の動きに対して理解を深める。
・ボディメカニクスを活用し立ち上がり時の介護を 実施及び体験することで、人のからだのしくみを活用し介護を行う必要性を習得する。
④生活と家事3時間《講義内容》
これまで、介護サービスにおける家事サービスが、単なるお世話ではないことを学習してきました。生活支援としての家事サービスの在り方を明確にするとともに、実際の調理、洗濯、掃除等の家事サービスにおける留意点について学習し、介護の専門職としての、家事サービスの在り方を習得する。
(ア)生活と家事の理解
・生活支援としての家事サービス
・高齢者にたいする生活支援の意味するところ
・「生活」の再構築という視点(利用者の価値観を尊重していくこと
・生活の大切な要素(思い出や願い、何気ない喜び、小さな希望)
・残された能力を「活用し、生活能力を高め介護の知識・技術
・認知症高齢者への関わり(生活日課という視点)
・日々を充実することで生じてくる意欲
・普通に暮らすということ(高齢者の多様性の尊重)
・くつろいで過ごすことのできる条件(なじみの関係の大切さ)
(イ)家事援助に関する基礎的知識と生活支援
・家事援助の方法
・買い物支援のための基礎知識
・調理(食事)支援のための基礎知識
・洗濯・衛生管理支援のための基礎知識
・掃除支援のための基礎知識
《技術演習内容》
・支援で心がけることのポイントをグループディスカッションする。
⑤快適な居住環境整備と介護3時間《講義内容》
衣食住といわれるように、生活において居住環境は、衣服や食事と同様に重要な要素の一つです。快適な生活を送るために必要な居住環境の整備から、利用者が生活の各場面で活用できる福祉用具(機器)について学習し、福祉用具(機器)は、高齢者だけでなく、家族や介護者の健康を守ることも習得する。
(ア)快適な居住環境に関する基礎知識
・快適な居住環境づくり
・住居の安全と事故防止
(イ)高齢者・障碍者特有の居住環境整備と福祉用具に関する留意点と支援方法
・高齢者・障害者特有の居住環境
《演習内容》
テキスト3 P141
事例 認知症の進行により在宅生活が困難になってきている
・テキスト3 P143 
事例 介護者である家族の腰痛予防を目的にリ フトを導入した事例
上記の事例に基づいてグループワークで話し合い知識を深める。
⑥整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間《講義内容》
身なりを整えることは、自己表現の一つであり、社会生活を送るうえで重要な要素となります。病気や障害により、閉じこもりがちになると身なりについても無頓着になってしまいます。身なりを整えるとこの意義や目的、整容のために必要な支援の方法や技術について学習し、具体的な事例を通して、支援の方法や考え方についても習得する。
(ア)整容に関する基礎知識
・身じたくの意義と目的
・身じたくの介助の基本
・衣服の役割
・衣服を選ぶときの配慮事項
・身体状況に合わせた衣服の選択
・衣服の着脱の支援の基本と留意点
(イ)整容の支援技術
・整容行動とは
・洗面の意義・効果
・爪の手入れ
・化粧
・ひげそり
・口腔ケア
《技術演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・衣服の着脱 
片麻痺の場合 前開き 上着
 ベッドで端坐位 テキスト3 P159
・衣服の着脱 片麻痺の場合 かぶり 上着 
 ベッドで端坐位 テキスト3 P160~161
・衣服の着脱 片麻痺の場合 ズボン
 ベッドで端坐位 テキスト3 P162~164
・衣服の着脱 麻痺ない・片麻痺あり 浴衣
 ベッド上で テキスト3 P165~168
・整容の支援 洗面・整髪・爪の手入れ
 ベッド上で テキスト3 P168~179
⑦移動・移乗に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護12時間《講義内容》
移動・移乗の介護では、利用者と介護者の両者に体力的に大きな負担がかかります。移動・移乗の意義をはじめ、安全で安楽な介助を行うためのボディメカニクス、人体の構造の基礎的肢位の理解、具体的な介助技術などについて学習し、安全で安楽な介助を行う視点は、利用者の自立に向けた支援にならなくてはいけないことを習得する。
(ア)移動・移乗に関する基礎知識
・移動の意義
・廃用症候群(生活不活発病)とは
・利用者の身体状況に応じた介護技術
・ボディメカニクスを知る
・安全・安楽な移動・移乗のために
(イ)さまざまな移動・移乗に関する用具とその活用方法
・安楽に関する道具・用具の種類
・移動・移乗時の補助具
(ウ)介護職員にとって負担の少ない移動・移乗の支援方法
・安楽な体位の保持のための介助手順
・体位変換
・車椅子の介助
・歩行介助
(エ)移動と社会参加の留意点と支援
・社会とのつながり
《技術演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・体位変換 水平移動 テキスト3 P202~205
・体位変換 上方行へ移動 テキスト3 
P205~206
・体位変換 仰臥位から側臥 テキスト3 
P207~209
・体位変換 仰臥位から端坐位 
テキスト3 P209~212
・体位変換 端坐位から立位 テキスト3 
P212~213
・車椅子走行 段差を上がる・下りる 
テキスト3 P219~222
・移乗の介助 ベッドから車いすへ
テキスト3 P223~228
・移乗の介助 車椅子からベッドへ 
テキスト3 228~229
・歩行介助 階段の昇降 杖なし 
テキスト3 P229~231
・歩行介助 階段の昇降 杖あり 
テキスト3 P231~235
・歩行介助 視覚障害の歩行介助 
テキスト3 P235~236
⑧食事に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護6時間《講義内容》
食事に関する介護職員による支援は、高齢者にとって生活の基盤となるとても大切なものです。高齢者のからだの変化を知り、そのうえで適切な献立、調理法で食事を提供する必要があります。また、高齢者の自立に向けた介助が必要になります。食事の意義と目的から、栄養に関する知識、代表的な疾病における栄養や調理、さらに食事介助の方法について習得する。
(ア)食事に関する基礎知識
・食事の意義と目的
・食事に関連したこころとからだのしくみ
・栄養素とその働き(栄養の理解)
・栄養素と食品の関係(食品の成分)
・献立の立て方
・食品の保存と食品の安全性
・調理の基本
(イ)食事環境の整備・食事に関連した用具・食器の活用方法と食事形態とからだのしくみ
・食事環境の整備
・食器・食具の工夫
・食事介助の技法
・口腔ケア
・誤嚥性肺炎の予防(テキスト3 P175)
(ウ)楽しい食事を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
・高齢者の食事
・疾患と食事
(エ)食事と社会参加の留意点と支援
・食事と社会参加
《技術演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・食事介助の技法 テキスト3 P264~268
・口腔ケア テキスト3 P173~179
⑨入浴、清潔保持に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護3時間《講義内容》
疾病等によりまひや寝たきりになると、入浴や清潔保持が困難になります。しかし、からだを清潔に保つことは、自立した生活に最も大切なことの一つです。さまざまな生活動作を伴う入浴における介助をはじめ、清拭や分部浴に関する支援の方法を学習し、どんな場面でも重要なことは、利用者ができることは利用者が行うといった、自立支援を意識しながら安全に気持ちよい支援を行うことを習得する。
(ア)入浴、清潔保持に関する基礎知識
・入浴・清潔を保つことの意義と目的
・入浴・清潔を保つことに関わるからだのしくみ
(イ)さまざまな入浴用具と整容用具の活用方法
・入浴補助用具
(ウ)さまざまな入浴・清潔を保つための方法
・入浴
・入浴介助のポイント
・分部浴
・清拭
・整容(ひげ剃り、整髪、鼻・耳掃除、爪切り)
(エ)楽しい入浴を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
《技術演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・入浴介助 片麻痺のある(一部介助) 
テキスト3 P299~303
・入浴介助 全介助 (機械浴) 
テキスト3 P303~304
・分部浴 手浴・足浴・陰部洗浄
テキスト3 P305~310
・洗髪 テキスト3 P311~315
・清拭 テキスト3 P315~321
⑩排泄に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護12時間《講義内容》
排泄は、人間が生きていくうえで切り離すことのできない生理的な行為です。しかもほかの人には見られたくない、触られたくない行為でもある。その思いは障害などによって排泄の介助を受けなくてはならなくなっても、変わることはありません。排泄に関する基礎的知識をはじめ、具体的な支援の方法について学習し、利用者の尊厳を重視した介助の在り方を習得する。
(ア)排泄に関する基礎知識
・排泄とは
・排泄の3つの意味
・おむつ使用のマイナス面:排泄障害が日常生活上に及ぼす影響
・おむつは最終手段
・排泄介護の基本視点は尊厳の保持と自立支援
(イ)さまざまな排泄環境整備と排泄用具の活用方法
・排泄環境整備
・排泄用具の活用方法
(ウ)爽快な排泄を阻害するこころとからだ要因の理解と支援方法
・爽快な排泄を阻害するこころの要因
・排泄のメカニズム
・爽快なヒア説を阻害するからだの要因
・排泄介助の実際(一部介助を要する利用者のトイレ介助の具体的方法)
《技術演習内容》
デモストレーション:講師又はDVD
・ポータブルトイレ介助 
テキスト3 P349~350
・おむつ交換 テキスト3 P350~354
・尿器や差し込み便器の介助 
テキスト3 P355~357
⑪睡眠に関連したこころと
からだのしくみと自立に向けた介護
11時間《講義内容》
睡眠は、心身を休息させ、翌日の豊かな活動につなげるために重要なものです。睡眠のメカニズムから、心地よい睡眠を確保するための環境や福祉用具の活用法、快い睡眠のための支援の方法を学習し、睡眠が、こころとからだに与える影響について習得する。
(ア)睡眠に関する基礎知識
・日常生活の生活パターン
・睡眠とは
・睡眠障害
・睡眠障害時の介助と援助方法
・入眠儀式
(イ)さまざまな睡眠環境と用具の活用方法
・寝室の環境
・寝具・就寝時衣類
・福祉用具の活用
(エ)快い睡眠を阻害するこころとからだの要因の理解と支援方法
・快い睡眠を阻害するこころとからだの要因
・就寝時の支援
《演習内容》
デモストレーション:講師
・ベッドメーキング(ベッドに人がいる場合)
テキスト3 P122~126
・睡眠時の良肢位を保つ 
テキスト3 P186~192
・クッション類などを使用したポジショニングの体験をして技術を習得する。
⑫死にゆく人に関したこころとからだのしくみと終末期介護2時間《講義内容》
高齢者介護の現場では、利用者の死と出会う機会が少なくありません。日常生活の支援の延長に、死にゆく人の介護があります。終末期ケアの基礎知識から、死にいたる過程、死を迎える高齢者と家族の心理と支援の方法を学習し、死にゆく人の尊厳を守り、その人らしい死を迎えるための介護の在り方を習得する。
(ア)終末期に関する基礎知識とこころとからだのしくみ
・死生観を育て利用者の死を受け止める
・終末期ケアとは
・高齢者が死にいたるプロセス
・利用者ニーズに寄り添う看取りの要件
(イ)「死」に向き合うこころの理解
・死に向き合う高齢者の心理
・看取りにおける介護職員の基礎的態度
(ウ)苦痛の少ない死への支援
・苦痛を和らげる
・緩和ケアのための環境づくり
・多職種間の情報共有の必要性
・家族の苦痛緩和
・遺族へのグリーフケア(悲嘆への支援)
・看取りにおける倫理観(望ましい言動と望ましくない言動)
《演習内容》
看取りについてグループディスカッションを行う
⑬介護過程の基礎的理解4時間《講義内容》
チームケアを進めるなかで、介護職は利用者の生活に最も近い位置にいます。介護職ならではの意識を持ち、利用者の思いや生活能力等を見極めながら介護計画を立案し、実施する。提供した支援が計画通りになされているか、内容が適切であるかなどの評価を行い、再アセスメントに生かす。支援を行ううえで最も重要な介護過程の意義や目的等、介護過程の基本的な視点や姿勢について習得する。
(ア)介護過程の展開
・介護過程に基づく介護展開
・介護過程の基本的理解
・介護過程の必要性(「根拠」や「理由」に基づく介護実践)
・介護過程の流れ(介護過程を構成していくもの)
《演習内容》
個別援助計画作成を行う
⑭総合生活支援技術演習8時間生活場面、障害状況の異なる4人の事例を通し、具体的な介護内容及び介護の留意点などを掲載しています。今まで学習してきた内容を踏まえ、各事例を展開する。
(ア)事例1・2
・事例概要
・日常生活の状況
・利用者本人や家族の思い、今後の支援の方向性
・片麻痺、失語症がある利用者への介護サービスにおけるポイント
・総合生活支援技術演習
・場面における介護のポイント
《演習内容》
検討事例 2例の介護計画の展開を実施する
10.振り返り(4時間)
項目名時間数講義内容及び演習の実施方法
①振り返り2時間初任者研修の全過程を振り返り、研修を通して学んだこと、習得したことについて再確認を行う。
演習:テキスト3に付属のDVDで介護技術の基本を再確認する。
就業への備えと研修修了後における継続的な研修2時間利用者一人ひとりと向き合い、寄り添い、各々の尊厳を守りながら自立に向けた支援を行うためには、介護員として就業するなかで学ぶことも多く、日々継続して学習・研鑽する姿勢を持つことが大切となる。介護職員としての基本的な姿勢は言うまでもなく、日常的に自信を高める課題を明確に意識しながら就職する姿勢が重要となる事を認識する。